2011年2月13日日曜日

Oracle Linux と MIRACLE LINUX、そして Asianux

ここを読んで、大分世間で誤解されているようなので、簡単にまとめておく。

  • Oracle Linux 6.0 とは、Unbrakeable Linuxという昔からやっているOracleの取り組みに沿ったもの。以前からOracle Enterprise Linux(OEL)という名前で4系も5系も存在していた。ディストリビューションの内容としては、RHELから商標を取り除いた以外は完全同一を目指すもので、CentOSと似たコンセプト。

  • 少なくとも、Oracle Enterprise Linuxの商品コンセプトとしては、Unbrakeable Linuxサービスの一環としての提供。このサービスは、OracleがOracle DB等を動かすお客様に対して、(1)RHELを安くOracle DB並のサポートレベルでサポートしますよ、(2)OSがなければOELをDLして使ってください(ライセンスは無償、まあRHELも無償だけど)、という内容。

  • 一方、ミラクル・リナックス(MIRACLE LINUX)は、2000年6月に、元々Oracle DBをLinuxで安定して動かせる環境がないのでそれを作ろうというねらいで設立された。しかし、日本オラクルの子会社なので、Oracleから見れば孫会社。はっきり言ってOELを作ろうとするまではまったくOracleから忘れ去られた存在だった。(ように見える。昔の事はよくわからない)

  • OELが出たときに、Oracle本体に初めてまともに認知された。この時期にOracleへのマージの話があったが、つっぱねることに成功(?)した。このとき、日本Oracleとの資本関係を解消しており、独立した企業になっている。(ただし、今でも日本オラクル出身者が多いので、Oracle DBの扱いはかなり得意。またとある事情からわざわざここからOracle DBを買う人もいる。)

  • ミラクル・リナックス(MIRACLE LINUX)はOELよりかなり前に中国RedFlagとAsianuxという共同開発プロジェクトを発足させ、のちにHaansoft(現在のHancom)を加えて、日中韓にて開発をほぼ共通化している。インストールDVDは同一だが、オプショナルのCDとサポートは別となるため、RedFlagやHancomで購入したものをMLにサポート依頼することは(標準では)出来ない。

  • Asianux 1.0 (= MIRACLE LINUX V3.0)、Asianux 2.0 (= MIRACLE LINUX V4.0)、Asianux Server 3 (= MIRACLE LINUX V5)のそれぞれは、RHELとカーネルABIが互換となり、ドライバはそのまま使える。

  • Asianux Server 4 (= MIRACLE LINUX V6) に関しては、2011/2/14にRTMであり、内容についてはまだ公式内容がないためここでは書かない。後で付け足す。かなりのベンダーには説明しているが、まだ解禁していいか聞いてないので。でもまあ、Asianux Server 3よりは一般のSEにははるかに使い易くなっているとは確実に言える。


    参考公開資料:
  • [2004年] http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0406/03/news107.html

  • [2008年] http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0807/02/news014.html

  • [2008年] http://biz.bcnranking.jp/article/keyperson/0810/081013_115375.html

  • [2009年] http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0910/23/news017.html

  • [2010年] http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1008/10/news015.html

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